純愛バトラー
 割り箸を割って食べ始めると、一斉に皆の視線がオレに収束した。
 正確には、オレの目の前に置かれているプレートに。

「……すごい量ですね」

「わー☆ パンが山盛りだ~♪」

「腹が減っては戦はできぬと言うが、それは少々やりすぎではないか?」

「会長は四次元胃袋の持ち主だったんですね……」

「自棄食いもほどほどになさいね?」

 千沙子が訳知り顔で、半分哀れむように言ったのが妙に心に突き刺さった。

「腹へってんだよ! 自棄食いじゃねぇ!」

「自棄食い? 何だ。嫌な事でもあったのか? そういう時は話してすっきりするといい。私でよければ聞くが?」

 千沙子とオレの会話を聞いた絵理が、お約束の通り地雷を踏み始める。
 確かに嫌な事があって気分最悪だが、絵理にだけは言えない。
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