純愛バトラー
 執事の仕事は年中無休で、しかも住み込みだから、毎日通うという訳にはいかないけれど。

 母の手に、そっと触れてみる。

 暖かい。

 アタタカイ。

 生きている。

 ここにいる。


 どんな形であれ、ここに、いる。


 そんな事すら、忘れそうになっていた。

「また、来るから」

 オレは母にそう告げて、病室を後にした。
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