戦国サイダー
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「思李?」
「え……?」
もうそろそろ約束の時間かと思っていたところ、意外な声が聞こえてきた。
「……由惟(ユキタダ)さん?」
「久しぶり」
首を左斜め後ろに向けて、確認した姿は記憶の中の人物より少し大人っぽくなっていた。
最後の記憶と違うのは、黒から金色に変わった髪の色。
それが、持ち前のちょっと悪そうな雰囲気に拍車をかけていて、でも前よりも少し落ち着いたようにも見える。
高緑 由惟、ひとつ上の、前の恋人。
「ほら」
真夏なのに黒のごついエンジニアブーツを履いた足をこちらに動かしてきて、ペットボトルを渡してくれる。
ラベルには『四ツ谷サイダー』
私が夏になるとよく飲むものだ。
「思李?」
「え……?」
もうそろそろ約束の時間かと思っていたところ、意外な声が聞こえてきた。
「……由惟(ユキタダ)さん?」
「久しぶり」
首を左斜め後ろに向けて、確認した姿は記憶の中の人物より少し大人っぽくなっていた。
最後の記憶と違うのは、黒から金色に変わった髪の色。
それが、持ち前のちょっと悪そうな雰囲気に拍車をかけていて、でも前よりも少し落ち着いたようにも見える。
高緑 由惟、ひとつ上の、前の恋人。
「ほら」
真夏なのに黒のごついエンジニアブーツを履いた足をこちらに動かしてきて、ペットボトルを渡してくれる。
ラベルには『四ツ谷サイダー』
私が夏になるとよく飲むものだ。