戦国サイダー
黙って受け取った私を横目に、由惟さんが隣に座った。



「……元気、でしたか?」


「ああ……思李はいまいち元気がねぇな」



無言はあまりにも気まず過ぎる、とありきたりな質問を投げかけたものの、なんか失敗。


ぱっと見ただけでわかるぐらい、私って沈んだオーラ出してるのか。



「ほんとはさ」



へこんでなんかいやしない! と再び強く念じたところに、由惟さんのぶっきらぼうな声が届いた。


でも顔はこっちを見てなくて、開いた脚の上に肘をついて、遠くの空に目を向けている。



「さっき、ここに来るの見たんだ。声かけようか迷ったけど……やめといた」



それはテラスに出たとき……だったと願いたい。



「でもやっぱり気になって来た」



視線だけで由惟さんを見ていたら、目が合ってしまった。


 
< 135 / 495 >

この作品をシェア

pagetop