戦国サイダー
端に差し込まれていたのは、はがきサイズの真っ白なカード。


ついでに昨日買ってきたカメラで撮ったと思われる写真が裏向きに貼ってある。



それを外してみると、たった二行。



『二人とも馬鹿。
妹だけでも充分なのに弟が出来た気分』



表を向けた写真に写ってるのは、私の後ろ姿と座っている鬼虎。


その鬼虎の顔が、私の背中を見ているように……見えた。




いつ撮ったんだろう、全く気がつかなかった。


そして兄は何を思ってこんなことしたんだろう。



我が兄ながら相変わらず意味不明なことするけれど、たったひとつ、私だけじゃなくて鬼虎のことも『馬鹿』だと言ったのがちょっと爽快。


その上あの鬼虎を『弟』扱いなのだ、本人が知ったらどんな顔するだろう。



兄が『馬鹿』って言うときは『子ども扱い』してるときなのだ。


それがさらに『弟』となれば、兄の目には相当『子ども』に映ってるらしい。


 
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