戦国サイダー
弄ばれた、やるんじゃなかった、なんの嫌味だ。



イライラしながらも、これも捨てておこうと再びそのピンクのパッケージに目を落とすと。



箱の裏にマジックで『冗談。冷凍庫、アイスの箱』と書いてあった。



再びいらり、とくる。



ぐるっと回って結局冷凍庫ってどんな遊びよ。



そうは思うものの、気が治まらないので台所へと向かう、勿論あの箱はゴミ箱にスラムダンクして。


暑さに滴をつけだしたサイダーを握りしめて階段を下りて行った。



「で、今度こそ最後よね」



誰に言うでもなく、ひとり文句。


前科がある分、緊張なんかちっともせずに冷凍庫の引き出しを引いた。


そこに入っている大岩井のミルクバーの箱を取り出す、中身は減ってないものの、既に封は空いていて、中を覗く。


 
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