戦国サイダー
帰るのなんか、失敗したらいい。



決意した筈が、まだそう思う自分と。



きっともう、虎はこの家に帰ってこない。



こう思う自分と。



両者が私の中に混在し、ひそひそと色々なことを囁くのだけれども。





いつもは歩幅広く、すたすたと真っ直ぐ歩く虎が。



私のスピードに合わせてなのか、違うのか、ゆっくりと歩いているのを知り。



きっと、もうこれで最後なんだ、と理解した。


 
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