戦国サイダー
ゆっくり歩きつつも、茜色の鳥居はやってくる。


私の心臓は、どくどくと痛いぐらいに血液を送り出す。



一緒に中に入り、次に私が鳥居を出たときには。





本当に、虎はもういなくなるのだろうか――



色んな感情がごちゃごちゃ生みだされて、足がすくむ。



やっぱり、行きたくない。



頭の中では、こうするべきだと決意した。


私のわがままでどうにかなる問題じゃないのだと、きちんと考えた。



なのに、なのに、なのに。



今、私の隣にいる人がいなくなるかと思うと。



私の大事な部分が、ごっそり持っていかれちゃう。



やっぱり、ものわかりの良い子になんかなれない。



いざ目の前にしたら、だめ。


 
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