戦国サイダー
以前と何も変わらない神社。


傾きかけた小さな社、手入れのされていない草むら。



雀が一羽、屋根の先にちょこんと乗っていた。





「さて」



驚くほど、いつもと変わらない冷静な虎がそこにはいた。


離したくない手をほどき、日本刀の風呂敷を広げる。



中から現れた、綺麗な弧を描く日本刀。



それをすっ、と腰に納めた。



初めて会ったときと同じ格好、同じ場所。



なのに。





違って見えるのは、気のせいだろうか。


 
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