虹のかなた〜Second Love〜(実話)
あたしのパンチは相当強烈だったのか智兄は放心状態だった
静かな部屋の中で激しい雨音だけが聞こえた
『マジかよ…』
智兄は何度も自分の頬を抓りながら呟いた
『麗奈ちゃんは俺を卓也の変わりにしたいだけじゃないのか?』
『違う!確かに智兄は卓也に似てる…でもね…でもその泣きホクロに惚れちゃったんだ』
『何やその理由は!!!(笑)おいで…』
智兄は雨に濡れた体を強く抱きしめ温めてくれた
『俺…卓也の真似するのやめるよ。金髪もニッカポッカも卓也に変身すれば麗奈ちゃんが振り向いてくれるかもって思ったんだ!卓也は卓也。俺は俺だもんな!俺が必ず幸せにしてやるよ!卓也の分までずっと守ってみせる!!』
『智兄…うん。ありがとう』
この日から智兄は金髪を自分の色に直し、ニッカポッカではなく以前から着ていた作業服に戻り、あたしの知っている智兄になった
そして、智兄ではなく名前で呼んだ