つらら飴
2章  ゆううつな朝
 遠恋破滅現実曜日。
 電話連絡決別話。
 新女出現剥奪彼氏。
 廃棄古女私不憫。
 友人忠告予想的中。
 一人放心悲惨無惨。
   
 哀しく自作の経を読む。
 昨日の事は忘れよう。
 お風呂に響く啜る声。
 湯船は止めよう気持ちが溜まる。
 溜め息落としにお湯浴びよ。
 マイナスイオンに期待掛け。
 少しは病が取れるかも。
縁の汚れが無性に見える。
 カビが私を笑ってる。
 志気の低さはカビ以下私。
 生命力が失せている。
掃除で気持ちを紛らわす。
 涙洗剤効果薄。

 家鴨座りで朝酒湯冷め。
 炬燵入って背中折る。
 蜜柑一粒白皮剥がす。
 一房冷たく歯が凍みる。
 湿る髪先温度が下がる。
 眼球結露ぶり返し。
 潤む瞳で上目向く。
 電気の線が二重に見える。
 
 普段よりも荒れた呼吸。
ポトスの呼吸のお手伝い。
 朝のお水は後にしよ。
 ビールが残ればそれ上げよ。
 二人で一緒に飲み明かそ。
 そして二人で枯れましょう。
 そして二人で眠りましょう。
 そして二人で泣きましょう。
 音を立てずに泣きましょう。

 
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