コピー

先生はそう言って、この屋上という空間にある、研究室以外のもの、下の階に行くためのエレベーターへ向かった。

僕もそれに続く。

「隣の建物の屋上に見えるのが我々の学校だ。」

僕たちが今いるこの屋上の空間よりも更に広い、全貌が見渡せない程の広さの屋上の上にそびえ立っている巨大な建物が学校だとさ。

エレベーターを使って下の階に降りると、ひとけのない殺風景な空間に行き着いた。

そこからは学校のある隣の建物へと続く渡り廊下が突き出している。

「そう言えば、これだけ技術が進歩しているなら、わざわざ学校に通わずに自宅にいてもコンピュータとかで授業が出来たりしないんですか?」

未来予想といったようなもので、そう言うことを聞いたことがあったような気がする。

「ああ、まあな。
一般的に教育はそうやって行われている。」

先生は渡り廊下を通りながら答えた。

「だが、ここでの教育は一般的ではないんだよ。
そのコンピュータでの教育でも、もちろんテストはあるのだが、そのテストを通して知った生徒たちの学力を元に日本中から成績上位者をこの学校に集めたというワケだ。
つまり、この学校に通っている生徒たちはみんなエリートということになる。
まあ、良い成績を取っても、この学校に通うかどうかは任意なのだがな。
有能な科学者になる為に彼らは、その有能な科学者たちから直接講義を受け、提示される課題をこなし、自主性を持った実験を行いレポート書く、まさに勉強漬けだ。
そんな集団の中でも『近藤拓郎』はトップクラスの成績を収めている。」

先生はさり気なく自分自身を有能と言って、少し満足げな顔をする。

今回もまた、長々と解説した。

どうやら人に対して何かを説明することが好きらしい。

先生だからか?

先生の話によると『近藤拓郎』は天才らしい。

僕と本物の『近藤拓郎』とのかなりの隔りを感じる。

彼は僕とは遠い。

僕がそんな怪物に成り済ませるのだろうか?


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