続きは、社長室で。
社長に、婚約者が・・・?
ウソ、でしょ・・・・
頬を伝う涙が、デスクへと落ちていく。
私の心まで一緒に、攫っていくかのように――
「佐々木さん・・・
君はこれ以上、時間を無駄に過ごしていいのか?
身体だけボロボロになって、無駄な想いを抱えて――」
尋ねながらも、なおも私を打ちのめす。
「っ、ど…してっ・・!
・・そんなコトっ・・言われる・・筋・・合いナイ・・!」
辛うじて出た言葉は、仕事を忘れていた。
秘書になって、抵抗心を失くしたけれど。
でも、それは愛した社長の為だったから――
どれほど、モノ扱いをされようが。
報われないと、分かっていようが。
どうしようもないほど、拓海が好きで。
これが自分で選んだ、生きる道だから・・・
だからこそ、許せなかった。
彼の言葉は、私のキモチをまるで無視している。
後藤社長の言葉は、勝手すぎるよ――