花火
「けっこうキレイだね」
サニタリーに消えて行く彼の広い背中に声をかけた。
遠い彼の声がなんだか私の心を落ち着かせた。
「そぉ?かなり散らかってんじゃん」
タオルのひとつを自分の頭に引っ掛けて、もうひとつを私に渡すと少し距離を置いて彼は腰掛けた。
そう、ちょうどいい距離。
今の彼と私の関係を表すかのような。
「ううん、思ってたよりすごいキレイだった」
「どんだけひどい部屋想像してたんだよ」
彼はクシャッと髪をタオルでこすりながら笑う。