花火


ガラス張りのテーブルの上には新しそうなノートパソコンと、お父さんが持っているような書類や封筒が散らばっていた。


「これ、仕事の?」


「うん。まぁ高校生にはわかんないだろうけどねー」

子供扱いする彼に頬を膨らませながらも、私は心地良さを覚えていた。


子供扱いされても、嫌な感じが少しもしない。


昔から甘え上手じゃなかったからだろうか。


彼は私が私でいるだけで子供扱いしてくれる。


甘えてもいいんだ、と素直に思える。


「どんな仕事してるの?」

「んー、広告作ったりとかかな。わかる?ポスター作ったり」


「えっ、じゃぁデザイナーなの?」


「デザイナーとは違うかな。どっちかってーと、俺はキャッチコピーとか考える人」


「あぁ、『消さないで あなたの心の 注意の火』とかでしょ?」


あはは、と彼は目を細めて笑った。


「まぁ間違ってはないけど。

あ、時間大丈夫?もう9時になるよ」


彼は部屋を見渡して、壁に時計がかかっていないことを思い出したように携帯の時計をのぞきこむ。


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