リストバンド
「じゃあ…ってそこで寝るのかーいっ」
浅く考え伝えようと口を開いたのはいいけど目に入ったのはザキさんの寝顔。
私は貴族のお漫才的なテンションでつっこんだ。
やりばのない手が妙に悲しい。
「…ザキさん、風邪ひきますよ」
恥ずかしさをこらえザキさんを起こそうと肩を揺すぶるが起きない。
微笑してザキさんを横にするとそのまま布団をかけた。
そして電気を消して自分もベッドに入る。
「おやすみザキさん」
寝ているとは知りながらも呟くように声をかける。
もちろん返事はなく、沈黙が続く。
私は沈黙に紛れるように意識を落としていった。
「おやすみ、チィ」
そんな言葉が自分に向かってかけられているなんて、気づきもしなかったけど。
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