リストバンド
「あだ名でしょ…じゃあイモリ」
ハルさんの無表情な発言にしばらくの沈黙。
少したったあとにザキさんが素速くつっこんだ。
「って何でイモリ!」
「ミモリューの妹略して…」
「イモリ!」
「正解」
ザキさんはハルさんとすらすらと会話を続け、納得したように首を縦に振る。
とはいえ、納得していない人がまだここに1人。
「いやいやいやいや…。一応私も女なんで…イモリって酷くないですか」
「え、普通じゃない?」
きょとんとした顔つきでプシュっと炭酸のペットボトルを開けるハルさん。
この人…本気だ。
悲しくなってハハハと乾き笑いを漏らす。
そんな私を見かねたのかザキさんがぽんぽんと肩を叩いてくれた。
ザキさん…いい人っ!
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