レインブルー
「どうしよう、涼子」
一階のリビングでお茶を入れていたら、居間のほうでクロのため息が聞こえた。
とりあえずあたしはお茶を居間まで持って行き、今はもう季節外れのこたつに入る。
クロは机に突っ伏してどうしよう、とばかり繰り返している。
「とにかく何で七瀬先生がクロの部屋にいるの?説明してくれないことにはあたしもどうしたらいいのか分かんないよ」
顔を上げたクロの表情に戸惑いが見えた。
七瀬先生は今もクロの部屋で寝ている。
一向に起きる気配がなく、起こすのも悪い気がしてあたしはその場を後にした。
しばらくクロは俯いて黙っていた。
クロがやっと口を発したのはそれから数分後のことだ。