また君に恋をする
「うち。結婚してん。」
戸惑いの隠せない章大。
「仁と。」
一瞬、那智から目を背ける。
「そっかぁ。おめでとう。」
作り笑いを那智へと向ける。
「良かったやん。仁と色々あったもんな。幸せになったんやな。」
切なそうに那智を見つめる。
「うん。ありがとう。章大にも報告せなあかんと思ってたんやけど。いい出せなくて。」
俯く那智。
「ごめん。」
呟くように謝る。
「謝るなよ。別に悪いことなんてしてひんやろう。幸せになっただけやろ。」
那智の顔を強引にあげる。
「そんな顔せんといてや。那智には笑ってほしんや。」
泣きそうな笑顔で章大を見上げる。
「ほな。僕行くわ。仁によろしく。」
那智に背を向け歩き出す章大。