僕達の空

とは言え気になるのは

事実で何回も彼を考えて

しまう日が続いた。


その日以外彼とも会う事は
なかった

――六月
いよいよ夏に近づきプール
の季節となった。



――うわープール掃除か次


莉菜休みだからなどうしよう。



しゃべる子はいるが


莉菜以外に友達と呼べる


人もいない。だからと言っ

て違う友達を作ろうって


いう事もない。あれからか


人と関わるのが嫌になった


私は・・・



そう考えていると迎う足は


プールではなく約2ヶ月


ぶりのあの場所だった。



屋上への階段を一段上がるごとに


私の心臓はあの時と同じ


感覚に近づく。



ドアの前につき呼吸を



整える。窓からは太陽の


日差しが差し込んでくる


この気持ちが無理やり


けしていたあの気持ちなん


だと気づく。


汗ばむ手でドアノブを


ゆっくり回した。


開くとあの日と同じ空が


見えた。


中に入りあたりを見渡すと


一つの横たわる影に気づいた。


ゆっくり近づいて気づいた。


いや、近づかなくても


わかっていた。


「蒼空・・・」






私の心の声がそのまま


言葉として出た。



彼はゆっくり私の方を


見た。



びっくりした様子だったが


すぐにあの時の笑顔を私



に向けた。
< 11 / 15 >

この作品をシェア

pagetop