レヴィオルストーリー3
第六章◆


世界ファンリュジョン、その西の大陸。



レヴィオル国の東の街──トウキシティで、どでかい叫び声が響きに響いた。







「ぎぃやあああ~っ!待て待て待て待て話せばわかるうぐはぁ」


「うっさぁい!許さないわよっ!それに起きちゃうでしょっ、このバカギルク!!」


「ひぃいいぃすんません!!」


「うあああ~ん」


「ほらあもうっ!」



──…新しい二つの命が誕生して、早五日。



自宅出産したお母さんイルは、お父さんとなったギルクにめちゃくちゃ怒りまくっていた。




「あたしの話聞いてた!?

お・む・つ!!

オムツ買うのになぁんで三時間もかかんの、よっ!!」


「ぐへっ!痛い!!痛いから椅子を投げんな!!ごめんっつってんだろぉ~」


「うわあああ~ん」


「許さないっ!まさか友達と戦ってただなんて思わなかったわ!!失望っ!あたし失望したっ」


泣き出した赤ん坊を抱き寄せながら言うイル。


どうやらギルクがおつかい中に道草をくっていたようだ。



当の本人は「売られた喧嘩は買うもんだよなぁ」とか言ってもう一人の赤ん坊に話しかけている。




双子の赤ちゃんは、どちらもギルクと同じ赤い髪をしていた。





< 249 / 500 >

この作品をシェア

pagetop