魔女の瞳Ⅴ
そうなるとのんびりしていられない。

私は全速力で御影西PAへと飛んだ。

それこそ人目なんて気にしていられない。

目立っているのも気にかけず、私は飛行してPAに突入する。

…PAには多くの人が賑わっている。

用を足したり買い物をしたり、食事をとったり。

高速走行の合間に休息をとる人々でごった返していた。

そんな場所で。

「ここにいる連中!」

私は声の限りに叫んだ。

「今からここは戦場になるわ!命の惜しい者は立ち去りなさい!ここにいれば確実に死ぬわよ!」

それは脅しでも誇張でもなく、紛れもなく真実。

闘争の為ならばどんな犠牲も厭わない、文字通りの化け物が、もうすぐこの場に現れる。

武羅人の手にかかれば、この場にいる人間など全て闘争に巻き込まれて全滅する事になるだろう。


< 57 / 97 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop