涙恋~RUIRENの魔法~
「そんなに無駄な反抗して
時間も無駄でしょう?」

「反抗は青春だぞ。」

「わかんないな・・・・・」

「学校さぼれ~。」

「なんで、優先生を困らせるの?」

直樹は私のカバンをとった。

「あいつウザイでしょ~
ヘタレだし。」

「ウザイことないけど、私には立派な
先生だったもん。」


「もしかして、惚れてるのか?」
唐突に直樹が言ったから動揺した。

「あれ?おまえ中村のこと好きなんだ?
あ~それで俺に反抗するなって
言ってるんだ。」

「ちがうよ!!」

   こいつに弱み握られたら大変だ
そう思うと余計に動揺した。

「あ~~~そうなんだ~」

   まずい・・・・

「だから、違うって!!
バカじゃないの?」


「違うんなら俺にキスして。」

「なんで?そーなるの?
意味わかんない。」

「中村が好きなんだな~」
直樹がニヤニヤ笑った。

「違うって!だけど好きでもないのに
あんたにキスなんかできないでしょ。
それこそ変だから。」

「あ・・・・・ま、そーだな~」
直樹は話を急に切り替えた。


「朝、走ってるのか?」

「走ってるよ。」
   よかった、話がずれた・・・・

「俺も走るかな~」

「直樹も?陸上やってたんだもんね。
走ろう!!気持ちいいよ~」



直樹は変わろうとしているような気がした。



「起きれる?
雨の日は中止、小雨でも降りそうでも中止
私は青空の下しか
走らないから。
あの公園で5時だよ。
5分待ってこなかったら行くからね。」

私はウキウキした。
直樹のことをネットで調べたら
結構名の知れたランナーだったから
いつか一緒に走れるといいなと思った。


「亜恋・・・・・・
おまえといたら俺変われそうな気がする。」


「変わりたいの?」

「わかんないけど・・・・・・
このままではダメかなって思う。」


「そこに気付いただけでも
変わったじゃない~
時間の無駄は青春に無意味だもん。
悔いなく進もう~よ!」


  悔いなく・・・・・・ 


直樹に言いながら
自分にも言い聞かせた。
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