涙恋~RUIRENの魔法~
二人でよく乗ったバイクが
私を迎えてくれた。
このバイクの後ろに乗って
いろんな気持ちで優の背中に
しがみついた。


「おはよ、ユウくんはまだ寝てるかな?」


ドアを叩かないことに決めた。
私と知ったら
きっとここを開ける事はないだろう。

玄関先に座って
本を読んだ。
大好きな小説は、すぐ私を
夢中にしてくれる・・・・・・

昔のような
はやる気持ちがなつかしかった。

たまに体勢を変えて
海を見た。
そのうち空に白い雲がもくもくしてきた。


  積乱雲・・・・・


勉強したな・・・・・・
なんて思っていたけど
雨や雷が鳴ったら大変だ・・・・・
もうすぐ
きっと雨が降る・・・・・


私はかろうじて
玄関前のちょっとの屋根スペースに移動した。
準備万端
折りたたみ傘もあるけれど
雷だけは別だった。


雷が小さい頃裏の木におちた衝撃が
トラウマだったから
それから私は雷が怖かった。


罰か・・・・・・・・・・・・



遠くで雷鳴が聞こえる

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