涙恋~RUIRENの魔法~
積乱雲
優の住んでいる所は、海の近くの少し
高い場所だった。

寂しい所で
海は天気がいいと
美しいけれど、そうでない時は
きっと寂しくなったり
恐怖感さえ覚えそうな
そんなところだった。


やっとのことで
探し当てた優の住んでいるアパートは
築何十年たってるのか
そんな建物の1階にあった。


  中村

そう紙ではられたドア


  やっぱり優はひとり・・・・・



昔、何度も行きたくないのに
足が向いた優の本来いる場所は
おしゃれなマンションだった。

すぐ近くには大きなスーパーが2軒
地下鉄も徒歩15分
暮らすには十分すぎる便利な
ところだった。

私は、優にあえない日
そのスーパをわけも無く歩く
会いたくないはずの
優を怯えながら探す。


一度だけ
二人を見つけた。


二人はマタニティーコーナーにいた。


優は妻が見せにくる
マタニティーウエアーを笑顔で
見ている。
妻が背中を見せると
沈んだ顔になる。


  苦しんでいるんだ


妻のお腹はまだ大きくはなってなかったが
時よりお腹をかばいながら
歩く妻に嫉妬を覚えた。


人のものを愛した罪は
どんどん私を惨めにそして
嫉妬深くさせた。

  この人さえいなければ・・・・・
  優と私はいつでも
  堂々と会えるのに・・・・・


・・・・・・・・・・・・・・・・

ここには、あの幸せそうな
あの人はいない

あの人の元に戻ったはず
あの人に負けたのに

優は一人でいる。
< 150 / 441 >

この作品をシェア

pagetop