涙恋~RUIRENの魔法~
誰もいなくなった家


私は大声を出した。


「あ~~~~~自由だ~~~」


ピアノを弾きまくって
音楽を大音量で聴いた。


友人の香から電話がきた。


「明日の夜、空いてる?」

「講習終わったら暇だよ~
親もいないし~」

「ライブ行かない?」

「ライブ?」

「うちの彼氏のBandなんだけど」

「うん!!いくいく~
ちょっとハメを外したい気分なんだ~」

「めずらし~ね。
いつもいい子ちゃんなのに」

「そんな時もあるもん。」

くだらないおしゃべりをしながら
明日の6時に大通りで
待ち合わせをした。


  今頃あの家で楽しく
  やってるんだろうな~

優と一緒にみた風景を思い出す。


二人で走った砂浜や
キスした木陰

少ない時間を作って
愛し合ったあのホテル


優に会いたい・・・・・・
冷たく拒否されても
私の心の中にいる優はいつも
優しく笑っている。


会えば
また想いが募る・・・・・
愛斗を愛せれば
どんなに幸せだろう・・・・・・

大きな胸にすっぽりと
包まれて
全ての敵から守ってくれる腕の中


でも
私は正直に生きたい・・・・・
優を諦めたくない・・・・・


誰もいない部屋で叫んだ。

「うわ~~~~~」


負けない・・・・・・そう誓った。

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