涙恋~RUIRENの魔法~
ネクタイ
初めてのライブハウスは
大爆音と熱気で汗だくになった。
知らない曲ばかり
乗り遅れたら大変


私は必死で見真似をした。


  ここはやっぱり私の
  居場所ではない・・・・


ノリノリに乗っている人間を
見ながら
虚しさが残った。


香はBandの彼とこのあと
お泊りするというので
私はひとりで
すすきの駅に向かった。


酔っ払いが楽しそうに騒いでいた。


でも私には
ちょっと怖い所だった。


  早く地下鉄に乗らなくちゃ


足早に歩いた。
前をとぼとぼ歩く人がいた。

  この人は悲しいのかな


階段で抜かそうとした時
ちらっと見た。


「あ・・・さっきの・・・・」
私の横の集団にいた人だった。

「あら?」


お酒を飲むと陽気な気分になるはずなのに
この人はこの世の
終りなような顔をしていた。

「お早いんですね?
夜はこれからなのに~」
時計はまだ8時をまわったばかり


「うふふ・・・
退散してきちゃった。
あなたはえらいわね。
遅くまであそんじゃダメよ。」


「なんだか悲しそうです。
さっき会った時と全然違うから。」


「自分の弱さがイヤになって・・・・
好きな人に何もして
あげられないから・・・・・」


「わかります。
そのひとを抱きしめたいのに
前に進めないのって
辛いですね~」

すすきのの繁華街は怖かったけど
この人と話したいと
歩幅を合わせた。
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