涙恋~RUIRENの魔法~
運命の使者

男の人は、優の病室の前にいる。
病室の前で
中の様子を見ている。


  あの女の人の知り合いかな

私の耳には
女の人と優の声が
話しているのはわかるけれど
なんて言っているのかが
はっきりとはわからない・・・・・


男の人が振り向いた。


目が合った。

男の人が会釈した。
私も慌てて頭を下げた。


男の人に近づいて
二人の会話を聞いた。


はっきり聞こえたのは


「・・・・・抱きしめたくても
抱いちゃダメさ。
悲しい想いをさせたくないから。」



優が言った。



  抱きしめたくても・・・・・?
  悲しい想いをさせたくない?

優の心が伝わってきた。
いつも怒っているから
本当に嫌われてるのか・・・・って
不安だった・・・・。


涙が溢れたと同時に
泣き声がでそうになって
慌てて口を抑えた。


男の人が私の声に
びっくりして
振り向いた・・・・・・・



女の人が優しい声で
優に話してくれた。


その暖かい言葉が
優の氷を溶かしてくれた・・・・


「亜恋を抱きしめたい。
そばにいてほしい・・・・・。
そう言っていいんだろうか・・・・・」


その言葉だけで十分だった。
私には一番の
言葉だった・・・・・・



もう声を殺すのが限界だった。
私は、慌てて
面会室に飛び込んだ。


嬉しくて
嬉しくて・・・・・
私は泣いた・・・・・・

  きっときっと・・・・・
  優は私を受け入れてくれる・・・・


しばらく泣いていたら
男の人が立っていた。

恥ずかしかった・・・・・・

廊下を走ってくる音がした。
女の人が入ってきて
男の人に抱きついた。


その男の人は優しく
女の人を抱きしめた・・・・・・


卒業した・・・・
彼には愛してる人がいるから
大丈夫よね・・・・・
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