涙恋~RUIRENの魔法~
「これからは、この景色を亜恋と一緒に
見られるんだな。
人生の中に亜恋と同じ時を
過ごせるなんて
シナリオはあり得なかった。
それだけでも
病気に感謝しないといけないな。
あとどれだけ
二人で見られるか・・・・・」



「そんなこというのはやめて。
この生活に期限なんてない。
ユウとの愛には
こんなふうにしていることだって
奇跡だった。
だから、奇跡は何度でも何度でも
二人に起きるはず。
信じて・・・・・
愛し合って・・・・・・
この奇跡を一緒に感じたい・・・・・・・・・・・」



優は私を下ろした。



「奇跡は・・・・・・
何度でも・・・・・・・起きるか・・・・」
そうつぶやいた。







私は優の唇をふさいだ。



真赤に染まる部屋で
私たちは
奇跡に感謝しながら・・・・・・・・・・・
求めあう。


つらい時を越えて
再び 優と愛し合う奇跡・・・・・・




繊細に動く指も
優しい愛撫も
熱いキスも
二人一緒に果てる瞬間も・・・・・・・・・・・


何も変わっていない
・・・・・・と思いたかった。


優の体に浮き出る骨は
私を不安にさせ・・・・
細い指は


この奇跡が長くは
続かないのではないかと
さらに不安をかきたてる・・・・・・


  ううん…奇跡はきっと起こる


頼りなく薄い胸にしがみつき
不安を消し去さるように
私は 


幸せの絶頂に上りつめる。
< 293 / 441 >

この作品をシェア

pagetop