涙恋~RUIRENの魔法~
「そしてこの厚い胸で
悲しみに嘆いている亜恋を
抱きしめてやってほしい・・・・・・
俺の代わりに・・・・・」


「コーチ?」



「さ、行くぞ。
みんな心配してるからな。
俺もそろそろ帰らなきゃ・・・・・・」


そう言って歩き出した優が
ふらついた。


「大丈夫ですか?」
愛斗が手を差し伸べた。


「サンキュー・・・・・・・」
少し苦痛な表情が一瞬見えたが
すぐに微笑んだ。



「頼もしいな。
おまえはじぶんの道を信じて
全うするんだぞ。」



「・・・・はい。」



優を気遣いながら
愛斗は隣に寄り添った。



グランドについた優を部員が囲んだ。
中に加恋もいた。



私は部室の影から優を見つめた。




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