涙恋~RUIRENの魔法~
優と握手して
車に乗り込もうとしたとき


芳樹が

「俺が送る」と言った。


驚いた表情だったけれど
なぜか二人とも
どこかでそれを喜んでいるようだった。


  ごめん、奈楠・・・・
  でも大丈夫・・・・・
  二人は大人だから・・・・・


信じてあげよう・・・・・・



優が二人を部屋に招き入れた。

なにげに空気を読んでのことなんだろう。


私も明るく努めた。
芳樹も大声で笑ったりして
私たちは
同じ痛みを持つ同士だから

どこか助けけあっているような気がした。



  奈楠は幸せだよ・・・・・


四季の悲しい笑顔は
胸が痛い。


悲しい愛が
ふたりを包んでいる。



帰っていく車を見送りながら
優が私を引き寄せた。


「俺は幸せだよ。
愛してる人と一緒にいられるんだから。」



「四季さん・・・・
かわいそう・・・・・・」


「佐川さんは、もっとつらいな・・・・・」



「優は・・・・つらくない?」


私は本題にはいっていく・・・・・
< 310 / 441 >

この作品をシェア

pagetop