涙恋~RUIRENの魔法~
私を見ながら
「せんせ?彼女?
いけてるね~」と冷やかした。


無垢な笑顔が笑えた。


「寄せ書き・・・・・・」
優がつぶやいた。


「みんながっかりしてたんだ。
先生、具合悪くなかったら
やめること許さないとこだったけど・・・」


「うわ~うれしい~
すげー感動!!ありがと・・・・
宝物だよ。」

優が泣きだしたから
子供たちは驚いて顔を見合わせた。


優は車の方に進み
保護者に挨拶をしていた。


「先生、優しい?」
私は、子供に目線を合わせて聞いた。


「めっちゃ、みんな大好きだったし
サッカーも上手で
俺達の試合とかも応援しにきてくれたり
だから・・・さびしいな・・・・」


「先生、喜んでたね。
ありがとう、この力も
病気と闘う力になってくれたと思う。」


「よかったな~」
二人は頭をかいて
はにかんだ。


去っていく車から手を振る子供たち

優も力いっぱい細い腕を振っていた。


「旅立ちに申し分ない
力をたくさんもらったよ。
亜恋・・・・
もうこうして一緒にここに立つことは
ないだろうけど
ここに俺の思い出みんな
おいて行くから
会いたくなったらここにきて
海を見てくれ。
俺はきっと隣にいるから・・・・・」



「さ~!!がんばるぞ~!!」

優が拳を掲げた。

涙が邪魔で・・・・・
その姿を隠してしまう・・・・・

私も言った。

「がんばるぞ~!!」

海に向い顔を見合せて笑った。
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