涙恋~RUIRENの魔法~
「亜恋・・・・・
どこかで時間つぶしておいで・・・
亜恋は俺の大事な人だよ。
堂々としてて。」


優の顔がやさしくなった。


私はよろけながら
立ち上がり頭を下げた。


母親のするどい視線を感じながら
病室の外に出たら


愛斗が立っていた。


愛斗は何も言わず
私の肩を抱いてくれた。


声を殺して
廊下を歩いた。



愛斗の逞しい体に支えられて
私は必死で歩いた。


どこかで
泣きたかった・・・・

でも・・・・
泣いたら
優が傷つくから・・・・・


必死で泣くのを我慢した。


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