涙恋~RUIRENの魔法~
「そうだね~
それは愛斗が憎たらしいから・・・・
でしょ?違う?」



「憎らしいとか・・・・
おまえハッキリ言いすぎるな。」



「圭はさ
圭でしょ?愛斗じゃないんだもん。
愛斗と一緒じゃなくたっていいんだよ。
私も加恋の屈託のない明るさが
憎らしいこと
あるんだよ~
あんなふうに素直になりたいって。」



「亜恋も?」


「自分にないもの持ってるって
うらやましいじゃん。
でもそれってお互い様なんだよね。」



私はこいでいたブランコから
カッコよく飛び降りたつもりが
豪快にころんだ。


キャ~~!!

「大丈夫か!?」

慌てて駆け寄った圭の顔に
勢いよくブランコが激突した。


「ウワ~~~イデ~」


圭も地面に転がって顔を押さえた。


「圭・・・だいじょーぶ?」


「イデデ・・・イテ・・・・なんか血が・・・・」



「え!?血!?どれ?見せて!?
どーしよー!?私のせいだ・・・・!!」



片手で向かってくるブランコを
つかんでとめた。



そして圭に馬乗りになって
圭の顔を覆っていた手を
広げた。



額は真赤になっていたけど
血は出ていなかった。


「こら~~血出てないよ!!」



「出てないけど痛いって・・・・」



「そりゃ痛いのはわかるけど!」


「あれ?圭涙出てるけど?
アハハハ・・・・・」


「痛いんだって~」


「どれ?どれ?見せてごらん~」
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