涙恋~RUIRENの魔法~
「ごめんね~びっくりした。」



その時、愛斗の大きな手が
私の手を握った。
緊張感でまっすぐ前を向いた
ぎこちない時間が二人を包み込む。


列車に乗り込む時
さきに愛斗が乗って
私の手を引き上げた。

私の体はふわりと簡単に列車の中に
引き込まれた。


列車は空いていた。


二人掛けのイスに座った。
愛斗は手を離さない・・・・・・
私も緊張して窓の外を見ている・・・・・


朝やけ残る海の色が赤かった。

「久しぶりだ~~~」
思わず叫んだ。


優と暮らしていた時通いなれたこの道・・・・
一瞬あのころに戻ってしまう


「亜恋・・・・・
どこにいる?」


愛斗の声で現実に戻る



「え?」



「コーチのとこに行ってたろう?」


「あ、ごめんなさい・・・・・」
私は気まずさに謝った。
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