涙恋~RUIRENの魔法~
   恋人?


私は驚いた。
机にのっていた教科書を床に落として
みんながびっくりして
こっちを振り向いた。


そのまま私は加恋のところに走った。


怪訝な様子で出てきた加恋に

「優先生、離婚したの?」
ときいた。

「亜恋ちゃんには、もうどうでもいいでしょ?」

「お願い。
私は、先生は家庭に戻ったって思ってたから。」

「そんなに簡単に許してくれたら
何度でも不倫するでしょう?」

「加恋・・・・
わかってるよ。
ただ、確かめたいの・・・・・
奥さんには、赤ちゃんがいたはず・・・・・・」

加恋はあきれた様子でため息をついた。


「聞ける訳ないじゃん!!
奥さんは?
赤ちゃんはどーなったのか
怖くて聞けないわ。
加害者が姉なんだもん。
ただ、みんなの質問には
寂しいひとり者だって答えてたわ。」


そう言って教室に消えていった。


心がざわめいた。


後をふりかえると
愛斗が立っていた。


「聞いてた?
ね?サイテーでしょう?
自分の気持ち押しつけるのに夢中で
相手の状況も
葛藤も
なんにも考えなかったから・・・・・・
不倫とか、教師と生徒の禁断の愛とか
離婚とか、処分とか
み~んな私が仕向けたのに・・・・・
優くんだけが制裁をうけている・・・・・」


白波が濁って
混濁した波に変わり始める。


「なんてこと・・・・・・
私はしたんだろう・・・・・・・」


それから、私は勉強に身が入らず
放課後をむかえた。
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