【完】約束=願い事
『7月25日
少し大人に近づいた夢瞳へ
このカードを開いてるってことは
君はもう知ったかな。
オレが言うのもおかしいけど、
御木本晃一という人は、すごい人だ。
君のことも君の将来のこともちゃんと考えてくれるはず。
崇佑も頼りないところはあるけど良いやつだ。
状況に迷ってるだろう。
でも、聡明な君なら分かるはずだ。
君の将来に、
君の夢を叶えるためには
大切な一歩だ。
よく、考えてくれ』
読み始める前、
封を開ける緊張の一瞬。
泣いてしまうかなと思ったけど、不思議と涙は出なかった。
内容が予想に反して現実的で、頭が少しずつ冷えてくる。
考えてみれば、
辛くても悲しいときも、これまで泣いたことなんてほとんどなかったじゃない。
そう考えれば、
震える手も、少し怖い続きも飲み込んで読む気になった。