tone
『まだかな……。』


まだ小降りに降ってる雨の中、


あたしは雨に濡れながらも奏ちゃんを待っていた。


大丈夫だよね?


約束したもんね?


あたし達、まだ恋人じゃないけど、


奏ちゃんの事、信じてるから。


雨にどんどん濡れながらも、


あたしは必死に我慢して濡れながら待ってた。


髪から滴れる滴。


体の輪郭がはっきりしてきた制服。


いつもなら恥ずかしいけど我慢した。


そして約束から30分……。


あたしは徐に鞄を取りだし、来た道を戻った。



もしかしたら、事故にあった?


奏ちゃんの身に、何か起こった?


あたしはそんな事を考えながら走っていった。


周りの瞳なんか気にしない。


ただ、あたしはあなたを想って。


だけどそんなあたしに与えられた再会は、









『奏ちゃん………。』


『……歌……音?』



奏ちゃんが他の人と抱き締めあってる所だった。


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