星の降る線路の上で
真夏の太陽の下、二人は歩き続ける。
先程まで前を歩いていた璃子は、いつの間にか三崎の隣に来ていて、少しずつではあるが会話を交わすようになっていた。
彼女に対する多くの疑問は未解決のままであったが、自分のペースで接する事が出来るようになったお陰で、三崎の中にあった彼女への畏怖の念は随分と和いでいた。
心に僅かな余裕が出来たせいか…三崎は目に映る風景をゆっくりと目に沁み込ませる。
電車に揺られ、夢うつつの中で車窓から眺めていた景色…でも、実際に自分の足で歩いてみると、そこは全く別の世界のように見えた…
石ころの一つ一つの形、線路脇に咲く名もなき一輪の花…車窓から流れる一瞬の風景だったものが、手に取るようにはっきりと見る事が出来、記憶の中に刻まれていく。
あのまま電車に乗っていたら、一生見る事も気に止める事も無く、忘れ去っていただろう…
こんなふうに人生も途中下車して、ゆっくりと自分の足で引き返す事が出来れば。そこには流されるまま過去に忘れてしまった物が、たくさん見つかるのかもしれない…
例えばそう…遠い昔にポケットに詰め込んだままになっている、幼い頃の夢…
「ねえ!」
ぼんやりとした三崎の視野いっぱいに、璃子の顔が飛び込んできた。
三崎は慌てて我に返ると、怪訝に覗き込む少女に焦点を合わせた。
「ん…?」
「さっきからずっと呼んでるのに、どうしちゃったの?」
ずっと無視され続けた事に抗議すると、少女は釈明を求める視線を向ける。
「ああ…ちょっと考え事をしていてな…ごめん、悪かった」
「あたしを退屈させない面白い事だったら、許してあげる」
璃子は少し意地悪げにそう言うと、微かな好奇心を宿した瞳で見上げる。
さて、どうしたものか…?
それが決して彼女の要求を満たす話ではないと思っていたが、他に話すべき話題も思いつかなかったので、三崎は正直に話す事にした。
先程まで前を歩いていた璃子は、いつの間にか三崎の隣に来ていて、少しずつではあるが会話を交わすようになっていた。
彼女に対する多くの疑問は未解決のままであったが、自分のペースで接する事が出来るようになったお陰で、三崎の中にあった彼女への畏怖の念は随分と和いでいた。
心に僅かな余裕が出来たせいか…三崎は目に映る風景をゆっくりと目に沁み込ませる。
電車に揺られ、夢うつつの中で車窓から眺めていた景色…でも、実際に自分の足で歩いてみると、そこは全く別の世界のように見えた…
石ころの一つ一つの形、線路脇に咲く名もなき一輪の花…車窓から流れる一瞬の風景だったものが、手に取るようにはっきりと見る事が出来、記憶の中に刻まれていく。
あのまま電車に乗っていたら、一生見る事も気に止める事も無く、忘れ去っていただろう…
こんなふうに人生も途中下車して、ゆっくりと自分の足で引き返す事が出来れば。そこには流されるまま過去に忘れてしまった物が、たくさん見つかるのかもしれない…
例えばそう…遠い昔にポケットに詰め込んだままになっている、幼い頃の夢…
「ねえ!」
ぼんやりとした三崎の視野いっぱいに、璃子の顔が飛び込んできた。
三崎は慌てて我に返ると、怪訝に覗き込む少女に焦点を合わせた。
「ん…?」
「さっきからずっと呼んでるのに、どうしちゃったの?」
ずっと無視され続けた事に抗議すると、少女は釈明を求める視線を向ける。
「ああ…ちょっと考え事をしていてな…ごめん、悪かった」
「あたしを退屈させない面白い事だったら、許してあげる」
璃子は少し意地悪げにそう言うと、微かな好奇心を宿した瞳で見上げる。
さて、どうしたものか…?
それが決して彼女の要求を満たす話ではないと思っていたが、他に話すべき話題も思いつかなかったので、三崎は正直に話す事にした。