キスに恋して…1
きっと私の不安な気持ちが伝わったんだね


「気にすんな」


そう言う良平


「うん…」


そう言って校門から入っていった


校舎までが長く感じる


本当は長く感じるのって、良平と二人で嬉しいはずなのに、後ろからの直哉の視線と周りからの皆の視線が痛かった


「教室までこうしとくか?」


良平が繋いだ手を私に見せるように動かした


「うん…」


私は少しでも、良平の大きな手に守られていたかった


きっとそれは


私が初めて会った時から…


それなのに…私は


初めて知った恋を


私はどう育てていけばいいのかわからなかった





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