キスに恋して…1
屋上でもチャイムは聞こえた


でも、足が動かなかった


葵と亜矢に会わせる顔がない


私の中にいるのは


葵の幼なじみで彼氏の親友の良平と、亜矢の彼氏の友達の直哉


どちらも裏切れない


直哉と過ごしていた時は、心の中の良平は出てこなくなっていた


それなのになぜ?


今頃になって私は昔みたいになりたいと思ってしまったんだろう


良平は私と関わりたくないから、話しかけたりしないんだよね?


私のこと…嫌いなのかな…


ガタッ


屋上のドアが開いた


私は無意識にドアの方を見た


逆光で眩しくて、誰が来たのかわからなかった





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