【短編】運命の人
どうすれば、奈津に近づくことができるんだ――?
僕の頭の中は、奈津のことでいっぱいだった。
会社を休み、奈津の後をつけたこともあった。
大学の前で、講義を終えた奈津が出てくるのを何時間も待つこともあった。
そこで目にする、奈津のいろんな表情、仕草……。
僕は、どんどん奈津を好きになっていったんだ。
後をつけて分かった、彼女のアパート。
僕は毎日のように、彼女のアパートを訪れた。
深夜。
アパートのゴミ置き場。
奈津がゴミを出したあと、僕は毎回、それを探った。