ディーダラス2064
強力な武器が要るかもしれない…

女王はそんな念に捉われていた

彼らの歴史に戦争と言う言葉は存在しなかった
宇宙は一様に平和で
武力で他者を弾圧する種族は R の意志によって自滅へと追い込まれていく
R とは彼らの崇拝する神と呼ぶべき存在で
確実に存在する 神 だった


この宇宙に最初に発生した文明種族によってあるゾーンが構成された

いまやその生体としての姿を完全に消失させた彼ら R の種族は
ゾーンと呼ばれる時間を超越した場所で全宇宙の管理を行っている



昔ビッグバンによって誕生したこの宇宙は
数という概念に於いて、はたまた量という意味合いに於いて

劇的な価値観の切り替えを余儀なくされる世界となっていた。

宇宙誕生当初 空間といった価値はどこにも存在せず
熱 こそが、その高さこそが多いといった価値を統括していた

スペース 空間が無くとも熱量の中にその種族の多くが共存できた

R はまさにその段階の知的種族で
彼らが空間の覇者としては前時代の忘れ物的な意味合いから払拭されてはいなかった

ただ 現在  R は宇宙の覇者だった

生前 熱の中に存在し 高熱によって個体の数を増やしていた彼らは
そういった運命から逃れて ゾーン へと引越ししたのだ。
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