ディーダラス2064
ナオヤはよく眠った、最近は睡眠不足気味なカオルとは対称的だった、
睡眠を船内のクルー誰もがちゃんととることは、ミッションにおける仕事の一部分だった、
しかしカオルは薬品によって規則的な睡眠時間をとるということはあえてしなかった、
夜として割り当てられているサイクルの時間、カオルは船内をブラブラ歩くことが多かった。

船外の宇宙空間がパノラマ的に見渡せる特殊展望室はいつも入室禁止の表示になっていたので少し気掛かりだったが、きょうは入室が可能らしく、カオルは三重のゲートをくぐって入っていった。

展望室は半球状のドームが広がった大きな部屋で、回転遠心力で重力を得ているディーダラスの船尾の軸の位置にあり、内部は無重力かつ、幻想的な演出のされた空間だった。
< 29 / 50 >

この作品をシェア

pagetop