-恐怖夜話-


微かに開いた重い瞼の隙間から見えたのは、一面の赤い色彩。


全てが、赤いセロファンを通して見たように、真っ赤だ。


血――?


たぶん、額かどこかが切れて出血しているのだろうと思うけど、全身に走る痛みのおかげで、何処にどんなケガをしているのか見当も付かない。


確かめようにも、体が動かないのだ。


霞んだ赤い世界の中へ懸命に視線を走らせと、力無く投げ出された自分の指先が見えた。


そして、私の手を包むように添えられた、私よりも大きな手。


骨太で、長い指先。


武……士?

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