【企】君の手をずっと。
いつもの待ち合わせ場所へと猛ダッシュ。
公園を曲がったところの電柱の前に、いつも彼はいる。
「ごめんーっ」
ほとんどの率で、あたしの彼への第一声はこの謝罪の言葉。
『また遅刻。ほんっと朝弱いな』
そう言って、笑いながらちょっと呆れ顔の彼はあたしの大好きな人。
黒木 智也(クロキ トモヤ)
同じく高校3年生。
智也とは昔からの付き合いで、いわゆる幼なじみって奴。
家も近所。
幼なじみという壁を乗り越えて、中学3年の時にあたし達は彼氏彼女になった。
幼なじみの関係が壊れるのを恐れていたあの頃。
告白した時は、断られるんじゃあないかってドキドキしていたこと。
今でも忘れない。