恋の破片(カケラ)~ラブ&ピース~
そして百合は離婚が正式に決まった。

その夜は先輩達がお酒に百合を誘い、歌を歌っているうちに百合は泣き出してしまった。

生命保険会社という所は、入る給料の半分位は客へのお礼やパーティ費用にと飛んでいく。

きらびやかな世界だ。

仲間うちの飲み会も多い。

わざと皆が気をきかせ、「恋唄」(所長が好きだと言った歌)をバックに、所長と百合にチークを踊らせた。

慣れないチークに、ムードのある歌、意味深な歌詞に、所長の胸に抱きしめられていたら、所長のスーツの胸に涙がにじんだ。

皆がそれに気づき、とにかく次々とそんな歌を歌い、ずっとそのままでいさせてくれた。

「本気で好きなんだね。」

と、所長が帰った後、皆に言われた。

自分も「恋唄」を聞きながら、胸に抱かれ揺られていると、好きなんだと気がついた。

気がついたら切なくなった。
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