Rainy-Rainy
「……恭ちゃん、終わったよ」


リビングのソファーで待っていると、部屋から疲れた表情の遊里が出て来た。



ここは、俺の自宅のマンションだ。

3LDKで親父と二人暮しなのだが、その親父は今出張中で、休みにしか帰って来ない。

俺一人が住むには少し広い空間だけど、遊里や友人達がよく遊びに来るので、心細さを感じた事はない。


今、遊里が出て来たのは俺の自室で、静香が眠っている。

あのあと、すぐに遊里が駆け付けてくれて、ここに運んだのだ。

アモーレに運ぼうと思ったが、客の多い時間帯だったし、そもそも寝かせるスペースや着替えも無かった。

男一人暮らしの家に、よく知らない静香を連れ込むのは気が引けたが、遊里が付き添うと言ってくれたので、それならばと運び込んだのだ。


それで今は、遊里が静香の体を拭いて、着替えさせた所だ。


「どうだ?」

「ちょっと熱があるみたい。多分、疲れがたまってたんだと思うよ。それからさ、あの子の体……」


遊里は一瞬言い淀んだ。


「どうした?」

「そのね、痣だらけだったから。どうしたんだろ…って」


痣だけだって?

あいつ、一体…。


「えへへ〜」


あれこれ考えを巡らせていると、何を思ったのか遊里が隣に腰を下ろし、ぴったりと体をくっつけて来た。

邪魔臭いので、それを片手で押し退ける。


「うぅー、ケチ」

「ケチ、じゃねぇだろ」





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