Rainy-Rainy
「ところでさ、恭ちゃん」

「何だ?」


キッチンで、食い物を漁っていた遊里が顔を上げて、話し掛けて来た。

いや、こいつは何で勝手に人ん家漁ってんだ。


「あの子誰なの?咲高の子だよね?」

「あぁ。静香って言ってな……その」


続きがすぐに出て来ず、言葉に詰まった。

言うべきなのか、言っていいのか、分からない。

正直遊里には、かなり言いにくいのだ。


「恭ちゃん……?」

「いや、別に何でもない、ただの知り合いだよ」


怪訝そうな顔で、ポテチの袋を片手に遊里が戻って来る。

遊里の顔が見れない。

でも、見なくとも疑いの眼差しを向けられているのは、はっきりわかる。


「……彼女?」

「あ?まさか、そんな訳ねぇよ」

「でも、好きなんでしょう?」


俺の隣戻って、ポテチを広げ、バリバリと食い始める。

相変わらず色気のない女だな。


ポテチを勧めて来るが、そんな物を食いたい気分でもない。

変わりに、遊里の口に押し込んで断った。


「それこそ、まさかだよ。まだ高校生の餓鬼だぞ」

「もぐもぐ…年は関係ないでしょ?」


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