Rainy-Rainy
−Shizuka−
「んっ……」
あ、れ?
煙草の匂いがする。
もう、朝なのだろうか?
なら、起きなきゃ。
遅刻して、千鶴達を待たせるわけにはいかない。
「ふぁ〜……あ、れ?」
むっくりと、体を起こす。
私は、眠気眼に入って来た光景に首を傾げた。
当然だ。
朝起きたら突然、全く見覚えのない部屋にいたのだから。
……いや、見覚えがあるような。
いやいや、無い。
見た事のない机には、黒いノートパソコンと散らばったプリント。
漫画ばかりが乱雑に並べられた本棚に、服がはみ出たクローゼット。
窓枠のところには、吸い殻に埋もれた灰皿が置かれている。
うん、全然全く知らない部屋だ。
「でも、私はどうしてこんな所に」
男の人の部屋みたいだけれど、覚えがない。
あれ?
私、昨日何してたっけ?
確か、昨日は体調が悪くて、それでその事で千鶴と喧嘩になって、それから……
「あぁ!恭輔さんと会ったんだっけ」
そうだ。
それで話していたら、急に目の前が真っ黒やら真っ白になって…。
「じゃあ、ここ恭輔さんの部屋?」